特定商取引法に違反した結婚相手紹介サービス業者に業務停止命令
ネックレスや指輪等ジュエリーの訪問販売に業務停止命令
関東経済産業局から、ネックレスや指輪等ジュエリーの訪問販売を行っていた会社に対し、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき、6か月間、訪問販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じたようです。
以下が関東経済産業局で発表した4つの事例になります。そして事例にあるように認定した違反行為は、勧誘目的不明示、公衆の出入りしない場所での勧誘、迷惑勧誘です。
事例1
平成24年3月、同社の営業員Zは、消費者Aに電話をかけ、「20代の人にアンケートしています。」とファッション等の質問をした。Aは質問に答えて電話を終わらせようとしたところ、Zは色々な話を続けた。この時Zは、同社の会社名を名乗らず、ジュエリーの話もしなかった。アニメの話を30分程した頃、AはZから携帯電話番号を聞かれた。Aは好き
なアニメの話で会話が弾んでいたので、Zに自分の携帯電話の番号を教えた。数日後、Zは教えられたAの携帯電話に電話をかけ、「Aさんと話が合うからもっと話したい。電話だと料金もかかるから実際に会って話がしたい。」と言った。AもZとアニメの話がしたいと思ったので、Zと待ち合わせをして会うことにした。
恵比寿駅で会った時、ZはAに、「ちょっと寄りたい所があるんだ。」と言い、ZはAを連れて本社が入っているビルに案内し、エレベーターで4階に行った。Aは、案内された場所は、ネックレス等が陳列されたジュエリーの小さな店であることがわかった。ただ、駅前の店舗のように一般のお客が自由に出入りしてジュエリーを購入するという感じでは無いと思った。その部屋は電気が点いていたが、窓のカーテンは閉められ、外から内部を見ることができない状態だった。
AはZから名刺を渡されたが、その時初めてそこがDIAWINというジュエリーの販売店で、Zの勤め先だと知った。AがZと店の奥のソファーでアニメの話をしていると、別の営業員Yが加わり、AにZと一緒にアクセサリーと宝石の違い等を説明し始めた。Aが理解できずに困っているとYとZは再びアニメの話をした。その時、更に別の男性が来て、Aに名刺を渡し、世間話を少しだけしてすぐに部屋を出て行った。Aは渡された名刺からその男性が代表者Xだと知った。
すると、YとZは突然、「展示してあるネックレスを見てみようか。」と言って、Aをショーケースの方に誘い、ネックレスを見せた。Aは宝石に興味がなく、買う気もなかったのに、Yが「試してみればいいじゃん。」と言って、Aにネックレスを着けた。Xは「似合うよね。」と言いながら、奥から契約書類を持って来た。Aは言われるままソファーに座ったところ、X,Y,Zの3人に取り囲まれる状態になった。Aは買う気はなかったのに、Xから「ここに名前を書いてください。」と言われ、取り囲まれる状態に恐怖を感じて「要らない。」とは言えず、差し出された書類に言われるまま、氏名等を記入した。
事例2
平成24年3月、同社の営業員Wは消費者Bへ電話をかけ、氏名を名乗り、ファッションのアンケート調査をしていると話し始めた。途中からBの好きな漫画の話になり、打ち解けた後、WはBに、「会ってみようよ。」等と言い、BはWとメールアドレスを交換し、何度かメールでやりとりをした。その後、WからBにメールで具体的に何日何時に会おうと連絡があり、BはWと会うことになった。
午後7時頃、BはWと恵比寿駅で待ち合わせて、10数分歩いて本社へ行った。Bは、奥のソファーに座り、Wは最初、電話で話していた時と同様、漫画の話をしていた。途中から宝石の話になり、Wは、ショーケースの方へBを案内し、宝石を見せて「こういうのが似合う。」などと言った。Bは宝石を買うつもりで来たのではなく、漫画の話をするために来たので、宝石の話に違和感を覚えた。その後、別の営業員VがBとWのところに来て話に加わった。Vはショーケースの中の宝石について説明を始め、話の流れでBはネックレスをひとつ選ばされた。Vはそのネックレスについて「これは本当は○○円くらいの値段だが、今回は安くする。」と言った。
Bは買うと言ったわけではないのに、Wから「これですね。」、「買うと言って。」、「Bさんが書きますと言うかだ。」等と矢継ぎ早に次々と言われたり、夜遅い時間まで勧誘されていて、契約書を書かないと帰ることができないと思い、氏名等を記入した。恵比寿駅からBの自宅までは電車で1時間30分程かかるが、契約した後、Bが終電に乗り、自宅に戻ったのは深夜0時を過ぎていた。
事例3
平成24年9月、同社の営業員Uは、消費者Cに電話をかけ、アンケート調査をしていると話を始めた。Cは話をするだけならいいかと思い、Uと映画やゲームの話をしていた。最後にCは、「何で電話をかけてきたんでしたっけ。」とUに聞いたところ、Uは「うちの店を知ってもらいたい。」と言った。Cはその時初めてUがアクセサリー関係の店で働いていることを知った。UはCに、「今からこっちに来ない。」と誘い、Cは「無理です。」と答えた。さらに、Uから、「じゃあ空いている日はいつですか。」と聞かれたが、Cはジュエリーを勧めるような話は出なかったため、Uと映画や趣味の話をすると思い、後日の夕方、恵比寿駅でUと会う約束をした。
Cが約束の時間に恵比寿駅に行くと、Uとは別の営業員Tが迎えに来て、CはTに連れられて本社へ行った。本社は、店舗が少ない地域の建物の4階にあり、4階にはエレベーターホールはなく、エレベーターから直接本社内に入る作りだった。窓のカーテンは閉められ、外も見ることはできなかったので、Cは、「普通の人はここまで来れないだろうな。」と思った。Cは、本社では、ソファーに座り、Tと映画やゲームの話をした。この時もTからジュエリーを勧めるような話はなかったため、Cはジュエリーを買うことになるとは思っていなかった。途中からUがCとTの会話に加わった。
2、3時間経った頃、UとTはCに、「良かったらうちの商品も見ていきませんか。」と言った。UとTは、Cにジュエリーを合わせて、「これ似合いますね。」と言ったので、Cは「そうですか。」とあまり乗り気ではない言い方をした。また、Uから「この中で欲しいのがありますか。」と聞かれたCは、「あまりないです。」と答えた。さらに、Uから「強いて言えばどれですか。」と聞かれたので、Cは、「これですかね。」とネックレスをひとつ選んだ。値段を聞くとUは、「△△円。」と言ったので、Cは断る方便として、「この金額じゃ無理ですね。」と断った。すると、Uが、「上の人に値段を下げてもらうように頼んでくる。」と言って、隣の部屋に行き、「下げられるよ。」と戻ってきた。それでもCは、「無理です。」と断ったが、隣の部屋から男性が出て来て、Cに名刺を渡し、「うちは完全招待制なので、あまりお客さんが来ないので、来たお客さんには良いものを買ってもらいたい。」と話し、「□□円にする。」と言った。
Cはもらった名刺から、この男性が代表者Xだとわかり、買う気はなかったが、あまりの金額の落差に思わず「そんなに下げちゃって大丈夫なんですか。」と聞いた。Xは、「お客さんのためなら大丈夫ですよ。」と言い、Cが、「買います。」と言っていないのに「買う」ということで話が進んでしまった。Cはジュエリーを勧められているときは「しつこいな。」と思ったが、実際に口に出して「帰りたい。」とは言えず、Xから契約書に住所、氏名等を書くように促され記載してしまった。結局、Cが本社を出たときには、到着してから5時間程経っていた。
事例4
平成25年2月、同社の営業員Sは、消費者Dに電話をかけ、「新しくお店を立ち上げることになった。若い人の意見を聞いているところです。」と好きなファッション等を聞いた。Dが質問に答えるとSは雑談を続け、2人はフレンドリーな雰囲気になった。するとSはDに、「バイトが休んでしまい、たまたま自分が電話することになった。こんなに仲良くなれたのは偶然で、奇跡だ。」、「お店もファッションの店ではなく、実はジュエリーショップでDIAWINという店だ。」、さらに、「こんなに仲良くなったのは最近ではないことだ。一度お店に来てみないか。」と言った。Sからこのように何度も言われたため、Dは断り切れず、訪問日時の約束をしてしまった。この際、SはDに、「お店に来て話をしよう。」と言ったので、Dも買うつもりで行ったのではなかった。約束の日の正午頃、Dは、恵比寿駅に迎えに来た別の営業員Rと歩いて本社へ行った。そこで、Dは、Rや本社にいた別の営業員Qとソファーに座り、最初は趣味や漫画等の話をしていた。RとQは、Dに「ショーケースを見てみようか。」と切り出し、Dはショーケースの方に連れて行かれた。Dは気に入ったものを選んでと言われ、ひとつを選ばされた。すると、Dが買うと言っていないのに、RとQは選んだ宝石の意味等を説明し、さらに、Qは「地元が一緒なのは偶然だ。がんばって安くしてあげるよ。」と言った。Dは買うとは言わなかったが、最初のSと同様に、「偶然だ。」と何度も繰り返し言われたため、断ることができず、買うことにした。契約をし、Dが本社を出た時に時間を確認したところ、午後4時頃だった。
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